飛騨高山獅子会館からくりミュージアム
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からくり人形とは

そもそも「からくり」ってなに?

からくりには「山車からくり」と「座敷からくり」があります。「山車」は神が出現する機微を示す象徴で、からくり人形は神の具現として「山車」に設置されています。
山車からくりは、仕組まれた糸を操作し人形を操る糸からくりと、ゼンマイ、バネなどを駆使して操る放れからくりがあります。飛騨高山の春祭り・秋祭りでも、豪華な山車の上で軽やかに演技を披露し、大勢の人々を魅了しています。

放れからくり「角兵衛獅子」
八代玉屋庄兵衛 作

「からくり」の歴史

座敷からくりの代表的な作品は「茶運び人形」です。井原西鶴が延宝二年(1674年)の「独吟百韻」(どくぎんひゃくいん)の中で、「ゼンマイの車細工(くるまざいく)にして、茶台をもたせて、おもうかたへさし向えしに、眼口のうごき、足取りのはたらき、手をのべて腰をかがむ、さながら人間のごとし」と感嘆しています。
しかし、茶運び人形は、その設計図と製作方法が記載されている「機構図彙」(からくりずい)と呼ばれる江戸時代に書かれた唯一の指南書の中にのみ存在し、「人形」という形では残されておりませんでした。
この機構図彙を手本に、幻の人形とされていた「茶運び人形」を完全復元させたのが「七代玉屋庄兵衛(故・高科正守氏)なのです。このからくりミュージアムでは七代目玉屋庄兵衛製作の「茶運び人形」が、愛くるしい姿で皆様をお迎えいたします。

座敷からくり「茶運び人形」
七代玉屋庄兵衛 作